DNS Summer Day 2017
本記事は、DNS Summer Day 2017で発表した内容を記事として書き起こし、加筆修正したものです。
目次
XACK DNSの概要
当社がフルスクラッチで自社開発をした、UNIX系OSで動作する純国産DNSサーバーです。
- 主な機能
- 権威サーバー(マスター、スレーブ)
- フルサービスリゾルバー(キャッシュサーバー)
- フォワーダー
- 日本語GUI&CLI
- ゾーンファイル編集機能
- 内外同居連携機能(Swing機能)
- DNSSEC 他
XACK DNSの特徴
特徴① 純国産フルスクラッチ自社開発
- C++で開発
- 自社開発ライブラリー
- OS、C/C++標準ライブラリー及びSTL以外はすべて自社開発)
- XTL (XACK Template Library)
- DSO (Dynamic Shared Object Library)
- TLS (Transport Layer Security Library)
- BIND、OpenSSL等OSS実装固有の脆弱性の影響なし
- XTL (XACK Template Library)
- OS、C/C++標準ライブラリー及びSTL以外はすべて自社開発)
- マニュアル、電話、メールなどすべて日本語対応
特徴② 高性能・大容量・高信頼
- 応答性能190,000~420,000qps
- ハードウェア環境に応じて異なります。
- レコード数最大10億件
- 実装メモリーに応じて異なります。
- 最大256GBまで対応できます。
- 起動時間はレコード数400万件で18秒
- マルチコアCPUを有効活用するアーキテクチャ

- 独自インメモリDB

特徴③ DSOモジュールによる機能ブロック化

- ログモジュール (log)
- 受信制限モジュール (client、limitation)
- 権威モジュール (master、slave、local)
- キャッシュモジュール (cache)
- フォワーダーモジュール (forwarder)
- ゾーンモジュール (rfc1035、binary)
- その他 (statistics、filter、rate、policy)
【ISC BINDの場合】

- namedに全機能が実装
- 権威サーバー、キャッシュサーバーとして使うかは設定で変更
- 「XXX機能を有効にしていない場合でも、本脆弱性の影響を受けます。」
【Unbound、NSDの場合】

- 権威サーバーとキャッシュサーバーでバイナリーは分離
- それぞれのサーバー内の機能は全機能が実装
- コンパイルオプションで機能を無効にできたりはする
【XACK DNSの場合】

- 機能をモジュール化することで必要な機能のみがロードされる
- 設定で変更可能で再コンパイル不要
XACK DNSのプロセス構成
- 制御プロセス
- 起動、設定ファイルの更新、キャッシュの更新等
- ログプロセス
- マスタープロセス (複数可)
- UDPの受信処理、TCPの接続処理
- ワーカープロセス (複数可)
- 名前データベースの検索、応答の作成と送信
- ノンプリエンプティブな複数スレッドにより処理

XACK DNSの名前データベース
- ドメイン名をハッシュと二分木で管理
- murmur64ハッシュ、AVL木
- 64ビット環境に最適化
- 二分木のリンク等で64ビットポインターの代わりに32ビットインデックス値を使用
- ドメイン名の重層化
- ルートヒントとルートサーバーからの応答
- 委譲元と委譲先のNSレコード
XACK DNSの構成例
・設定ファイル dnsd.conf
【キャッシュサーバーとして使用する例】

【権威サーバーとして使用する例】

BINDからの移行機能
ビュー機能
- -INDのVIEWのような機能
- クライアントアドレスで振り分け(match-clients相当)
- サーバーアドレスで振り分け(match-destinations相当)
- RDフラグで振り分け(match-recursive-only)
- RDフラグなしの場合のみに振り分けることも可能
- QNAMEで振り分け(BINDにはない…ハズ)
- 複数マッチする場合は最長一致が優先
- 実態としては仮想サーバー機能
- BINDではできなさそうで、XACK DNSならできること(やりたいかは別として)
- 特定ゾーンのみ別キャッシュサーバーにする。
- 大事なゾーン(例えばjpとか)の設定値を変えて動作可能
- 特定ゾーンのみ別キャッシュサーバーにする。
- キャッシュサーバーでRDフラグがない場合に何等かのペナルティーを与える。
- match-recursive-only yesのVIEWを前段に置くことでBINDでもできないこともないがVIEWの数によっては組み合わせが爆発的になるかも。

外部NS名Notify送信機能

設定ファイル変換ツール

DNS開発メモ
あーんな事やこんな事。。。
- ゾーンファイル対応
- レコード先頭に「#」
- コメントを意図してる?
- レコード先頭に「//」
- C++?
- シブリンググルー
- 実装の対応が大変
- レコード先頭に「#」
- 変な権威DNSサーバーの存在
- AAAAを問い合わせているのにA応答
- 何故か他のRTYPEにはNODATAを返す
- Aに応答するがAAAAにはNXDomain応答
- AAAAフィルター?
- IPv4アドレスではAを応答してIPv6アドレスではAAAAを応答
- 何か勘違いしている?
- Queryを書き換えた応答をしてくる権威
- やめて
- CNAMEがゾーン頂点
- CNAMEが他レコードと共存
- CNAMEが複数
- むしろ設定できる実装の詳細が気になります
- キャッシュっぽい挙動をしてる権威
- もはや権威ではない
- NXDomainだが回答は付けてくる権威
- 何故そうなった
- EDNS0付だと壊れた応答をしてくる権威
- AnswerにOPTレコードが、Additionalに回答が入る。
- CLASSをANYで問い合わせるとANYで応答
- 受けたQCLASSをそのまま使っている様子
- NSレコードのRDATAが『localhost.』
- ADDITIONALに『localhost. IN A 127.0.0.1』
- より深いゾーンの権威応答を返してくる
- やはり実装が気になる。
- 権威サーバーガチャ
- 再帰問合せ先によっては絶対に解決できない袋小路
- 2000個以上のPTRレコード応答
- 仕様の範疇ではありますが
- 俺はルートサーバーだ
- 違います
- AAAAを問い合わせているのにA応答
XACK DNSのロードマップ


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