DNSの基本をわかりやすく解説

目次
DNSってなに?
インターネットでWebサイトを閲覧する時、私たちは「xack.co.jp」のようなわかりやすい名前(ドメイン名)を使います。しかし、コンピューターは「192.168.1.1」のような数字の羅列(IPアドレス)でしか通信できません。
そこで登場するのが DNS(Domain Name System) です。DNSは、ドメイン名をIPアドレスに変換してくれる、いわばインターネットの住所録のような役割を果たしています。
DNSの仕組み
ドメイン名とIPアドレス
Webサイトには、それぞれ固有の ドメイン名 と IPアドレス が割り当てられています。
- ドメイン名:「google.com」「yahoo.co.jp」など、人間が覚えやすい名前
- IPアドレス:「192.168.1.1」「10.0.0.1」など、コンピュータが理解できる数字の羅列
これは、まるで電話帳のようなものです。電話帳には、人名(ドメイン名)と電話番号(IPアドレス)が対応して記載されていますよね? 私たちが誰かに電話をかけたい時は、電話帳で相手の名前を調べて電話番号をダイヤルします。 DNSも同様に、コンピューターがWebサイトにアクセスする際に、ドメイン名に対応するIPアドレスを調べる役割を果たしています。
DNSサーバーの役割
DNSサーバーは、ドメイン名とIPアドレスの対応表を管理している、いわば巨大な電話帳のようなものです。 私たちがWebサイトにアクセスしようとすると、コンピューターはDNSサーバーに問い合わせてIPアドレスを取得し、そのIPアドレスを使ってWebサイトに接続しています。
DNSの名前解決プロセス
DNSサーバーは、名前解決 と呼ばれるプロセスでドメイン名からIPアドレスを見つけ出します。
- ブラウザにドメイン名を入力する(例:google.com)
- コンピューターはDNSサーバーに「google.com」のIPアドレスを問い合わせる
- DNSサーバーはデータベースを検索し、対応するIPアドレスを返す
- コンピューターは取得したIPアドレスを使ってgoogle.comにアクセスする
具体例:Google.comにアクセスする流れ
- ブラウザに「google.com」と入力
- コンピューターはDNSサーバーに「google.comのIPアドレスを教えて」と問い合わせ
- DNSサーバーは「google.comのIPアドレスは172.217.26.238だよ」と回答
- コンピューターは172.217.26.238にアクセスし、Googleのページが表示される。
DNSのセキュリティー機能
DNSは、Webサイトのセキュリティーにも貢献しています。 例えば、 DNSSEC(Domain Name System Security Extensions) という技術は、DNSの情報を改ざんされることを防ぎ、偽のWebサイトに誘導されるなどの攻撃(DNSスプーフィング)からユーザーを守ります。 DNSSECは、DNSデータにデジタル署名を付与することで、データの正当性を保証する仕組みです。

DNSの種類
DNSサーバーには、役割によっていくつかの種類があります。
再帰的DNSサーバー
ユーザーからの問い合わせを受け、権威DNSサーバーに問い合わせてIPアドレスを取得する、いわば図書館の司書のような役割です。 ユーザーが探している本の情報(IPアドレス)を、他の図書館(権威DNSサーバー)に問い合わせて探し出してくれます。 あなたのインターネットサービスプロバイダーが提供しているDNSサーバーは、通常この再帰的DNSサーバーです。
権威DNSサーバー
ドメイン名とIPアドレスの対応表を管理する、いわば図書館のような役割です。書籍名から保管された本棚の位置がわかるように、 各ドメイン名に対応するIPアドレスという情報を保有しています。
キャッシュDNSサーバー
一度取得したIPアドレスを一時的に保存し、次回同じ問い合わせがあった際に高速に回答する、いわば本の目次のような役割です。 一度調べた情報(IPアドレス)を覚えておくことで、次回からすぐにアクセスできるようにしてくれます。
これらのサーバーが連携することで、私たちはスムーズにWebサイトにアクセスできるようになっています。

DNSの伝播遅延
DNSサーバーの設定を変更した場合、変更が反映されるまでには時間がかかることがあります。 これは、 DNS伝播遅延 と呼ばれる現象です。 DNS情報は、世界中のDNSサーバーにキャッシュされるため、設定変更がすべてのサーバーに反映されるまでには、数時間から最大で72時間程度かかる場合があります。
まとめ
DNSは、インターネットを利用する上で非常に重要な役割を果たしています。 DNSの仕組みを理解することで、Webサイトへのアクセスがスムーズになり、セキュリティー対策にも役立ちます。 また、DNSサーバーを適切に設定することで、Webサイトの表示速度を向上させることも可能です。
この記事では、DNSの基本的な仕組みから、種類、設定方法までを解説しました。 Google Public DNS(8.8.8.8、8.8.4.4)やCloudflare DNS(1.1.1.1)などの高速なDNSサーバーを試してみるなど、この記事で得た知識をぜひ活用してみてください。
最近では、DNS over HTTPS(DoH)など、DNSのセキュリティーを向上させるための新しい技術も登場しています。 今後もDNSは進化を続け、より安全で快適なインターネット環境を実現していくでしょう。
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