DNS Summer Day 2024
本記事は、DNS Summer Day 2024で発表した内容を記事として書き起こし、加筆修正したものです。
DNSの検証環境構築DNS製品って多かれ少なかれバージョンアップしますよね。本番環境をバージョンアップする前に動作確認しますよね。DNSの動作確認をするための検証環境の構築って大変じゃないですか?
一般に構築するであろう検証環境について、アプリケーション観点での構成例をいくつか並べてみました。
教科書的なDNSの構成

権威サーバーの検証
- ゾーンファイルは本番環境のものが(ほぼ)そのまま使えるはず。
- 対向のフルサービスリゾルバーをdig/drillや負荷ツールで代替する場合はマシンを用意するだけでOK

- 反復問い合わせ動作を確認したい場合はフルサービスリゾルバーだけでなくルート/TLD/委任先権威サーバー必要
- 本番環境のIPアドレスが使えない場合はゾーンファイルにも手を加える必要がある。
- DNSSECで署名している場合は再署名が必要
- ゾーン転送は他組織で管理している権威サーバーがある場合には模擬するしかないのでは?
- 基本的には検証したい権威サーバーと同じ構成を用意するだけでよい。
- 特定のソフトウェア固有の動作の検証は難しい。
- NOTIFY/UPDATEをうっかりインターネットに流さないように注意しましょう。
- also-notify
- NS先A/AAAA
- SOA MNAME
フルサービスリゾルバーの検証
- インターネット上の権威サーバーを使える場合は外部と疎通できればよい。(簡単♪)

- 使えない場合は権威サーバー (ルート/TLD/2LD/3LD)も自前で用意する必要がある。
- フルサービスリゾルバーを検証したいのに権威サーバーの検証環境を構築する大変さが発生する。

- ゾーンファイルもそれらしく作らなければならない。
- 権威サーバーの検証と異なりゾーンファイルが自組織にない。
- 単純に権威サーバーを構築すると応答サイズが小さくなりがち(NS/A/AAAAレコードの数や所有者名の長さなど)
- ワイルドカードレコードでレコード数ごまかしがち

- DNSSEC署名検証が必要な場合権威サーバーをガッツリ署名する必要がある。
- 検証内容によっては遅延や呼損を発生させる必要も。
- Linuxならtcコマンドなどでそれっぽくできなくもない。

スタブリゾルバーの検証
インターネット上のフルサービスリゾルバーまたは権威サーバーを使える場合は外部と疎通できればよい。(簡単♪)

- 使えない場合はフルサービスリゾルバーおよび権威サーバーも自前で用意する必要がある。
- フルサービスリゾルバーと同じ大変さ。とはいえスタブリゾルバーでそこまで検証したいケースはレアなのかも。

XACK DNS Testerでの検証環境構築支援機能
簡易なYAML設定ファイルから擬似権威サーバーを構築する機能を実装。

まとめ
DNSの検証環境の構成例をいくつか紹介させていただきました。
大変そうだなと思われた方は、是非XACK DNS Testerをお試しください!
XACK DNS製品ページ
XACK RADIUS製品ページ
XACKトップページ

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